フリソ・クラマーは、1922年にオランダで生まれました。オランダ初のデザイン会社「トータルデザイン」の創設メンバーで、スキボール空港や大阪万博のオランダ館なども手掛けたオールラウンドなデザイナーです。1953年に発表したリボルトチェアは、ミラノトリエンナーレに出展されダッチスタイルのアイコンになるなど、世界中から多大な注目を集めました。また、フリソは1972年に有名なオフィス家具シリーズを立ち上げていて、人間工学に基づいた近代的なオフィス環境を作りだした人物でもあります。
そんな彼の代表作は「リザルト・チェア」。1958年にデザインされたこの椅子は、プライウッドの座面を持ち、スチールレッグに3次元形成された座面の形状が特徴的。このデザインは、同時期のデザイナー・イームズに影響を受けていると言われていますが、「リザルト・チェア」はフリソのオリジナリティもしっかりと持たせたデザインになっていて、人気の高い名作です。フレームは薄い鉄板を曲げて作られていて、見た目は軽そうですが、実はかなりしっかりとした構造になっているのも魅力の一つ。どんなインテリアにもマッチする、シンプルかつ機能的なデザインが世界中から愛される理由でしょう。