1917年にアメリカで生まれたフローレンス・ノールは、アメリカ建築家協会金賞をはじめとする数々の賞を受賞するなど、アメリカのデザイン界をリードするデザイナー。イリノイ工科大学で建築について学んだあと、ウォルター・グロピウスや、マルセル・ブロイヤー、ウォレス・K・ハリソンらと共にデザインの仕事を始めます。1946年に結婚し、ノール社を設立。総合的な建築と家具との融合であるトータルデザインを信条にインテリアデザインを手がけます。
代表的なのは、モダンクラシックの殿堂とも称される「1205ラウンジ」。スタイリッシュな雰囲気でどんなコーディネイトにもマッチします。深めの座面とゆったりとしたサイズで座り心地がよく、快適な椅子としても評価が高いです。ほかにスタイリッシュなデザインが魅力の「1206 セッティー」や「1207 ソファ」、1954年にデザインされた「フローレンスベンチ」が有名です。「フローレンスベンチ」はパーフェクショニズムと呼ばれる完全主義を掲げたフローレンス・ノールの象徴的デザインで、無駄を排除したモダニズムなフォルムがとても個性的。美術館やホテル、大学、レセプションホールなどのほか、もちろん個人宅にも合わせれられるオールマイティな美しさが魅力です。