1920年、アメリカ・ニューヨークに生まれたノーマン・チャーナーは、コロンビア大学で芸術を学びました。その後はMoMAでインストラクターを勤めましたが、バウハウスの影響を受け、手がけたデザインはグラフィックデザイン、建築、インテリア、工業デザインなど幅広いジャンルにわたります。日本でも有名なプレハブ建築設計工法は、1957年にノーマン・チャーナーが考案したものです。そのようにノーマンは20世紀を代表する建築家の一人として、形成合板を使った家具や収納デザインの著書を多く輩出しています。
代表作としては有名なのは「チャーナーチェア」。細く美しい曲面に思わずうっとりせざるをえないフォルムが魅力的なチェアです。薄く細いフォルムを表現するために、強度の出せるプライウッドを使用しています。その繊細なディティールとはうらはらに、くびれに向かって徐々に厚みがます成形合板によって十分な強度を可能にしているのです。この作品は、ジョージネルソンがデザインしたプレッツェルチェアにインスピレーションを受けたと言われています。そこにノーマンらしさがしっかりと詰め込まれており、ノーマンの表現へのこだわりを感じることができる作品に仕上がっています。