ポール・M・ヴォルターは1923年にデンマークに生まれたデザイナー。ハンス・オルセン家具製作工場で訓練を受けて家具職人となり、その後The School of Arts and Craftsを卒業しました。若手の育成にも熱心で、後に、The Danish School of Art and Designで教鞭を執り、後続する世代に多大なる影響を与えています。代表作は1964年にデザインされた「コロナチェア&オットマン」。1961年にコロナチェアの前進である、オーク材を使用したモデルが発表されていましたが、その3年後である1964年にばね鋼素材のフレームと同心円の曲線で作られた「コロナチェア」が発表されました。「コロナチェア」とはその名の通り、太陽の日食の形からインスピレーションをとったと言われています。
作品の発表以来、その群を抜いたデザインの素晴らしさに各方面から絶賛の嵐が相次ぎ、映画やテレビ、音楽PVなどで多く使用されてきました。どこからでも隙間から空間が見えるというデザインは、空間をも上手くデザインとして取り込もうという意図さえ感じます。長い背面はもちろん座り心地も抜群で、洗練されたデザインでありながらリラクジング機能も十分な、非常に優秀なチェアです。自宅はもちろん、店舗などに利用してもマッチするでしょう。